地方財政改革に対する福北共同アピール

平成13年7月6日

地方財政改革に対する福北共同アピール

 福岡市長  山崎 広太郎
 北九州市長 末吉 興一

 本格的な地方分権時代を迎え、地方公共団体の果たすべき役割はますます高まっており、個性豊かな活力ある地域づくりを進めるためには、自己決定・自己責任の下、自立的な行財政運営の確立が不可欠である。

 21世紀の日本の姿を展望するとき、政令指定都市は、地方分権=地域間競争の時代への変化に対応し、責任ある自立した行政主体として、その使命を果たすとともに、お互いに連携し、フロントランナーとしてわが国の内政を引っぱって行かなければならない。

 去る6月26日に閣議決定された経済財政諮問会議の「経済・財政運営の基本方針(骨太の方針)」においては、地方の自立・活性化に向け、地方が多様な個性や創造性を十分発揮できる「新たな国と地方の関係」の確立を目指し、あわせて地方財政にかかる制度の抜本改革を行おうとしている。

 そこで、東京圏、関西圏、名古屋圏にならぶ、わが国第四の都市圏を形成し、相互に都市機能を補完し合い、国際的視野からの都市経営を目指す福岡・北九州の両市は、地方財政改革について共同でアピールを行う。

【構造改革にあたっての基本的な考え方】
1. 両市は、行財政改革をはじめあらゆる分野における改革に取り組んでおり、「聖域なき構造改革」に取り組むことによって、活力があり、効率の高い経済社会を実現しようとする小泉首相や経済財政諮問会議の取り組みの姿勢については、基本的に評価するものである。

2. 現在、地方交付税制度や道路特定財源の削減の議論だけが先行しているが、国と地方の関係の改革については、単に国の財政を健全化するという観点だけでなく、21世紀において、活力ある都市を形成していくという観点からも、新たな国・地方の関係の構築が求められているものと考える。その取り組みにあたっては、地方分権や地方自治の視点をなによりも重視しなければならない。

【地方財政制度の改革】
3. 国と地方の役割分担の改革にあたっては、地方の自立度を高め、自らの判断と財源で、行政サービスや地域づくりに取り組める仕組みを構築することが改革のポイントであると考える。
 このためには、経済・財政運営の基本方針に明記された「国から地方への税源移譲」により地方税源を充実するということを見直しの原点とし、その上で国の関与の廃止・縮減や歳出義務付の見直しを行っていくということが本筋である。

【地方交付税】
4. 地方交付税は、地方公共団体の固有財源であり、単に国の歳出削減のためのみに、地方交付税を削減し、地方へ負担を転嫁する結果となってはならない。
 また、税源移譲が実施された場合においては、地域間の税源の偏在により、税収格差が拡大する。このため、所要の財政調整の観点から、地方交付税の総額について適正な水準を確保する必要がある。

【道路特定財源】
5. 道路特定財源は、受益者負担の考え方に基づき導入されたものであり、道路整備5カ年計画と一体となって、地域の産業・経済を支える最も重要な基盤施設である道路の計画的な整備に極めて重要な役割を果たしている。両市においても、国庫補助金のほか、地方道路譲与税等道路財源として交付されている額は、平成11年度決算では、福岡市133億円、北九州市145億円に上るなど、道路整備についての貴重な財源となっている。
 地方公共団体全体として考えた場合、住民要望が多いのは「道路・街路」整備であり、多軸型の国土形成を図り、活力ある経済に支えられたゆとりある社会を実現するためにも、引き続きその整備を推進する必要がある。
 したがって、道路特定財源について、仮に見直しを実施する場合には、単に一般財源とすることなく、道路以外の都市基盤や交通基盤をどのように整備していくかという将来構想を明確に示し、それに充てるなど、地方の理解を得られるようにしなければならない。